
住宅取得の議論において、出口戦略が語られることは少ない。
しかし実務の観点では、最も重要な論点の一つである。
取得時に考えるべきは、
「いくらで買うか」だけではない。
**「いくらで手放せるか」**である。
日本の住宅市場は、依然として築年数による評価が支配的である。
この前提に立てば、建物価値は時間とともに減少する。
ここで重要になるのが、
借入残高と市場価格の関係である。
売却時の想定価格
ローン残高
諸費用(仲介・税・解体等)
これらを踏まえたとき、
債務超過に陥る可能性があるかどうかは、事前に検討すべきである。
注文住宅は初期投資が大きくなりやすい。
仕様・意匠に資金を投じたとしても、
その多くは市場評価に反映されない。
結果として、
売却時に価格が追いつかない構造が生まれる。
一方、建売住宅は市場価格に近い水準で供給される。
過度な上乗せが少なく、
取得時点で市場との乖離が小さい。
この差は出口で顕在化する。
また、賃貸に転用する場合も同様である。
家賃は市場で決まる。
投資額ではない。
想定賃料
利回り
維持費
これらを踏まえれば、
過剰投資は収益性を圧迫する。
住宅は取得の瞬間から、
すでに「出口」を内包している。
それを意識しない選択は、
結果として選択の幅を狭める。
結論として、出口戦略の観点において建売住宅は、
市場との整合性を保ちやすい選択肢である。
啓蒙が必要なのはここである。
住宅は所有するためのものではない。
最終的に市場で評価される資産である。
その現実から目を背けるべきではない。