
住宅の議論は、しばしば「坪単価」から始まる。
しかし実務において重要なのは、坪単価ではなく総額の確定性である。
注文住宅は坪単価が高い。これは周知の事実だが、本質はそこではない。
注文住宅は契約後も金額が動く。
設計変更
仕様追加
地盤改良
外構工事
これらは避けがたく、当初想定からの乖離が生じやすい。
つまり注文住宅は、**「価格が未確定のまま進行する商品」**である。
一方、建売住宅は違う。
土地・建物・付帯工事を含め、価格が確定している。
この差は単なる金額の問題ではない。
顧客にとっては、リスクの有無の問題である。
住宅取得は、多くの場合「最大の借入」である。
その前提に立てば、重要なのは「いくら借りるか」ではなく、
**「いくらで確定するか」**である。
建売住宅は、価格が固定された金融商品に近い。
注文住宅は、変動要素を内包したプロジェクトに近い。
どちらが安心かは、説明を要しない。
結論として、
費用の観点において建売住宅は「安い」のではなく、
「読める」商品である。
実務において、これは決定的な差となる。