
「賃上げ」。
良い言葉に聞こえる。
給与が上がる。
本来、喜ばしい。
だが、今の日本では、そう単純ではない。
なぜなら、
給料が上がっても、豊かさが増えているとは限らないからだ。
ここに、今の時代の難しさがある。
給与が上がる。
これは名目賃金。
数字の話だ。
だが生活は、名目では動かない。
物価込みで動く。
ここで出てくるのが
実質賃金
という考え方。
物価上昇より賃金上昇が弱ければ、
実質的には生活は苦しくなる。
給与は増えているのに、
豊かにならない。
この逆説。
今、日本が向き合っている問題の一つだ。
背景には
コストプッシュ型インフレ
がある。
需要が強くて物価が上がるのではない。
原材料高。
エネルギー高。
人件費上昇。
供給側コスト上昇で押し上げられる物価。
これは「良いインフレ」とは違う。
苦しい。
静かに効く。
生活を削る。
一方で、人手不足は賃金を押し上げる。
これは自然。
良い面もある。
だが、その上昇が物価を追い越せない。
ここが難しい。
賃上げしても、生活実感が良くならない。
すると消費は伸びない。
景気の好循環も弱い。
日本は、ここにいるようにも見える。
私はそう思う。
本質は、
賃金と物価がともに上がることではなく、
実質所得が増えること。
ここだ。
重要なのは。
生活が豊かになるか。
そこ。
数字ではなく実感。
これは住宅ローンにも直結する。
名目年収だけ見て借りると危うい。
手取りの実質価値が落ちるなら、
返済耐性は弱くなる。
ここは、住宅ローンシリーズともつながる。
全部一本の線だ。
日本人は、
給与額には敏感だが、
実質賃金には鈍感かもしれない。
これは危うい。
インフレ時代は特に。
年収が上がった。
安心。
とはならない場合がある。
むしろ問いは
そのお金で、何が買えるのか。
ここだ。
深いテーマだ。
豊かさは、数字では測れない。
年収だけでもない。
生活防衛力。
可処分所得。
時間。
安心。
全部入る。
そう考えると、
経済とは数字ではなく生活そのものだと気づく。
もちろん希望はある。
企業利益増。
賃上げ。
消費増。
理想的にはそう進む。
だが今はまだ、過渡期にも見える。
私はそう感じる。
賃上げは、豊かさを意味しないことがある。
数字が上がっても、
生活が苦しくなる時代はある。
そこに、今の日本の難しさがある。
だからこそ重要なのは、
名目ではなく実質を見ること。
私はそう思っている。
給与が上がっても生活が苦しくなる時代がある。
その現実から、目をそらさないこと。