
これは新シリーズの幕開けにふさわしく、少し思想性を持たせて書きます。
営業ではなく、時代を読む記事として。
「物価が上がる」と聞くと、多くの人は食品や電気代の値上がりを思い浮かべる。
だが、本質はそこではない。
インフレとは、モノの値段が上がること以上に、お金の価値が下がることである。
100万円持っていても、買えるものが減れば、それは実質的な資産の目減りだ。
この視点に立つと、不動産の見え方は変わってくる。
理由は単純ではない。複数ある。
まず、建築コストが上がる。
木材、鉄、コンクリート、設備機器。
人件費も上がる。
新築を作るコストが上がれば、新築価格は上がる。
新築価格が上がれば、中古にも波及する。
市場は連動する。
土地は紙幣ではない。
刷れない。
増えない。
希少性がある。
インフレで貨幣価値が下がる局面では、現物資産が再評価されやすい。
金(ゴールド)が買われるのと、構造は似ている。
不動産もまた、時にインフレヘッジになる。
インフレで賃金や物価が上がれば、家賃にも上昇圧力がかかる。
すると賃貸収益を生む不動産の価値も上がりやすい。
これは投資用不動産だけの話ではない。
自宅もまた、
「住むための資産」
として影響を受ける。
日本では長く
「家は買った瞬間値下がりする」
という感覚があった。
デフレの記憶だ。
しかし、時代の潮流が変わるなら、この前提は揺らぐ。
不動産は単なる消費財なのか。
それとも防衛資産にもなり得るのか。
考え直す時代かもしれない。
ここは重要だ。
インフレだから、すべての不動産が上がるわけではない。
立地。
希少性。
流動性。
出口戦略。
価値が残るものと残らないものは分かれる。
私は以前、
「良い不動産とは、売れる不動産でもある」
と書いた。
インフレ局面では、この言葉はより重くなる。
住宅購入とは、単なる負債ではない。
時に、インフレに対する個人の防衛でもあり得る。
もちろん、無理な借入は別問題だ。
だが
「借金だから危険」
だけでは語れない局面がある。
時代が変われば、住宅ローンの意味さえ変わる。
デフレでは、現金が強かった。
インフレでは、現物資産が見直される。
もし時代が本当に転換しているなら、
住まいを見る視点も変わるべきかもしれない。
住宅購入は負債であると同時に、時にインフレ防衛資産にもなり得る。
次回、Inflation Part 2
「インフレと金利、住宅ローンはどう動くか