マンション賃料の上昇が全国的に続いています。特に東京23区では、全エリアで平均成約賃料単価が前年を上回っており、賃貸市場の逼迫感が強まっています。
背景にある最大の要因は、分譲マンション価格の高騰です。新築マンション価格は建築費上昇の影響を受けて大幅に上昇しており、購入を断念して賃貸へ流れる世帯が増えています。これにより、ファミリー向けを中心に賃貸需要が高まり、空室不足が顕著になっています。
さらに、オーナー側のコスト負担増加も賃料上昇を後押ししています。建物管理費、修繕費、固定資産税、火災保険料などの維持コストが上昇しており、それらを賃料へ反映する動きが広がっています。特に築浅物件では、募集時点から従来より高い賃料設定となるケースが増加しています。
近年は更新時の賃料改定も目立っています。これまでは更新料のみで据え置きとなることが多かったものの、現在は「更新時に数千円〜数万円の値上げ」を提示されるケースも珍しくありません。背景には、周辺相場の上昇と空室リスクの低下があります。
また、共働き世帯の増加により、駅近・広め・設備充実型の物件への需要が集中している点も特徴です。供給が限られる一方で需要が強く、特に70㎡前後のファミリータイプは競争率が高い状況が続いています。
今後も建築コストの高止まりが予想される中、新築供給数は急激には増えにくく、賃料上昇トレンドはしばらく継続する可能性があります。賃貸市場は今、大きな転換期を迎えていると言えるでしょう。