
マイホーム購入のクライアントにとって、内覧(竣工検査)は「新しい家でどう家具を置こうか」と胸を躍らせる楽しいイベントかもしれません。しかし、私たちプロのエージェントが共有すべき認識は全く異なります。
内覧とは、「決済という引き金」を引く前に残された、唯一にして最後の防衛線なのです。
「住んでから気付いた傷や不備は、後で直してもらえばいい」 もしお客様がそう考えているなら、それは非常に危険な誤解です。
立証の難しさ: 生活が始まってから見つかった傷や不具合は、「生活傷」なのか「施工不良」なのかの判別が極めて困難になります。
業者の姿勢: 決済(代金全額支払い)が完了した瞬間、施工側の法的な立場は強くなり、対応のスピードや柔軟性は劇的に低下するのが現実です。
👉 引き渡し後では遅い。それが内覧の冷徹なルールです。
内覧は、壁紙の汚れを探す「間違い探し」ではありません。建物の本質的な健全性を確認する「最終試験」です。
建築士の視点を持つエージェントなら、以下の「防衛ポイント」をチェックします。
構造の歪み: 柱や壁に規定以上の傾斜はないか。
作動の整合性: サッシやドアの開閉に「仕様」で片付けられない違和感はないか。
隠れた施工品質: 床下の漏水、屋根裏の断熱材の欠損など、目に見えない部分にこそリスクが潜んでいます。
内覧で不備が見つかった際、エージェントが持つ最大の武器は「決済を待たせる権利」です。 不備が是正されない限り、安易に決済(お支払い)を進めない。この「最終防衛線」を守り抜く姿勢こそが、お客様の財産と未来を守ることに直結します。
施工側から「決済のスケジュールが……」と急かされることもあるでしょう。しかし、そこで妥協してしまえば、後に残るのはお客様の後悔と、エージェントへの不信感だけです。
内覧を軽く見る人は、不動産の本質を理解していません。 ここで見逃したものは、将来の修繕費や資産価値の下落となって、お客様に跳ね返ってきます。
私たちは、お客様の「ワクワク」に寄り添いながらも、その背後で**「この家を決済させるに値するか」**を冷徹に見極める番人でなければなりません。
内覧を最高の「イベント」にするために、まずは最強の「防衛線」として機能させる。そのプロ意識が、eXp Japanの選ばれる理由になると確信しています。