
買う時から、売る時を考える。住宅購入は出口で完成する。
私は昔から、住宅購入で最も重要な視点の一つは、出口戦略だと考えている。
しかし、まだ十分浸透しているとは言い難い。
多くの人は、買うことには熱心だ。
だが、売ることは考えない。
ここに危うさがある。
私はこう思う。
入口だけ見て買う住宅は、危うい。
本来、買う時から出口は設計されているべきだ。
これはマンションでも戸建てでも同じ。
いや、むしろ高価格化した今ほど重要になっている。
まず考えるべきは、
残債はいくら残るのか。
将来いくらで売れそうか。
賃貸に出した場合、賃料は取れるか。
この三点。
ここが住宅購入の資本管理である。
夢ではなく、戦略。
私はここを強く言いたい。
特にマンションは、市場評価が比較的明確だ。
査定は感情では動かない。
立地。
管理。
希少性。
流動性。
市場は冷静だ。
だから出口戦略が立てやすい反面、評価も残酷である。
残債より売却価格が低い。
いわゆる債務超過。
これは避けたい。
住宅購入で最も避けたい状態の一つだ。
ここに無自覚でいてはいけない。
一方、戸建て。
ここで私が以前から思っていることがある。
へんてこりんなリフォームは避けるべき。
これは出口戦略上、とても重要だ。
売主の趣味に寄せすぎた改装。
個性が強すぎる間取り変更。
特殊な内装。
これらは、住んでいる間は楽しいかもしれない。
だが出口では、時に障害になる。
市場は最大公約数を好む。
ここは不思議なくらいそうだ。
だから私は、戸建てのリフォームは
最大公約数的リフォーム
を勧める。
普遍性。
これが資産防衛になる。
私は、これは非常に大事な視点だと思っている。
出口とは、将来の買主に評価されることでもある。
自己満足だけで設計してはいけない。
これは住まいの難しさでもある。
また、億超帯のマンション市場を見ると、新築嗜好はなお強い。
ここも現実。
中古で戦うなら、なお出口戦略が重要になる。
購入時から考えておくべきなのだ。
私は、住宅は住むためだけに買うものではなく、
「将来の選択肢」を持つために買うものでもあると思っている。
売る。
貸す。
住み替える。
出口がある。
この柔軟性は大事だ。
出口戦略とは、悲観論ではない。
むしろ希望を守る設計だ。
変化のある人生に備える考え方。
私はそこに価値を見る。
買う時に出口を見る。
これは冷たい発想ではない。
成熟した発想だ。
住まいとは、買って終わりではない。
出口まで含めて、一つの投資判断である。
私はそう考えている。
そして良い住宅とは、
入口で魅力があり、出口でも評価される住宅である。
ここまで考えて初めて、住宅購入は完成する。