
ここまで、費用、資金計画、構造、供給、意匠、間取、施工、品質、設備、法規、工期、購入心理、メンテナンス、流動性、出口、営業効率。
一通り整理してきた。
結論は、静かに導かれる。
建売住宅は「妥協」ではない。
合理性を積み上げた結果の住宅である。
注文住宅は否定されるべき存在ではない。
だがそれは、明確な意図と判断力を持つ一部の顧客に適した選択である。
大多数にとって住宅は、
限られた予算の中で
不確実性を抑え
生活を安定させるための基盤
である。
この前提に立てば、答えは変わる。
建売住宅は、
価格が読める
品質が安定する
市場に適合する
出口を描きやすい
すなわち、全体最適に優れた住宅である。
住宅は夢で語られがちである。
だが実務においては、夢だけでは成立しない。
資金、時間、流動性、再販性。
すべてが関係する。
我々の役割は、理想を煽ることではない。
顧客の人生にとって、最も整合性の取れた選択を提示することである。
建売か、注文か。
その二択ではない。
問うべきはただ一つ。
その選択が、顧客の現実に適合しているか。
その視点に立てば、
多くの場合、結論は静かに定まる。
それが、この連載の到達点である。