
インフレは、中央銀行がボタン一つで止められる。
そんなふうに見えることがある。
金利を上げる。
需要を冷やす。
物価を落ち着かせる。
理屈としてはそうだ。
だが現実は、もっと複雑だ。
私はそう思っている。
理由の一つは、
インフレには種類があるからだ。
需要が強すぎて起こるインフレ。
これは金融政策が効きやすい。
だがもう一つある。
コストプッシュインフレ。
これは厄介だ。
原材料高。
エネルギー高。
物流混乱。
人件費上昇。
供給側が原因。
金利だけでは止まりにくい。
ここが難しさ。
私はここ重要だと思う。
中央銀行は強い。
だが万能ではない。
政策金利で原油価格は掘れない。
戦争は止められない。
サプライチェーンも直せない。
世界は金利だけで動いていない。
ここを忘れてはいけない。
最近、世界は学んだ。
不測の事態は起こる。
パンデミック。
戦争。
資源ショック。
こうしたものは、
金融理論の外から来る。
予定外から来る。
ここに現実がある。
私はここが深いと思う。
インフレは物価だけでなく、
期待や不安でも動く。
人が買い急ぐ。
企業が値上げを織り込む。
期待が期待を呼ぶ。
これは心理現象でもある。
だから難しい。
人心は政策だけで支配できない。
ここも重要。
日本単独ではない。
円。
ドル。
資源輸入。
米国金利。
全部つながっている。
島国でも、閉じていない。
私はそう思う。
世界の中の日本。
これは現実。
面白い問いだ。
米国は成長と利上げで動くことがある。
日本は構造が違う。
人口動態も違う。
賃金構造も違う。
同じ政策でも、同じ結果にはならない。
ここに難しさがある。
並走しているようで、
違う線路かもしれない。
私はそう感じる。
私は最近思う。
インフレは完全制御というより、
付き合う対象
なのかもしれない。
抑え込むだけではない。
受け止め、調整し、共存する。
そういう発想もある。
これは重要。
結局、市場は人が作る。
人が恐れれば縮む。
人が期待すれば膨らむ。
経済は数字だけではない。
人間そのものでもある。
私はそう思う。
「インフレは管理できるか」
という問いは、
「国家は世界と人心をどこまで導けるか」
という問いでもある。
かなり深い。
そして完全解はない。
インフレは、政策だけでは制御しきれない。
供給制約もある。
世界情勢もある。
人心もある。
だから難しい。
私はそう思っている。
中央銀行は万能ではない。
そして、
インフレとは、
管理する対象というより、
時代とともに付き合う現象なのかもしれない。
次回
Inflation Part 9
良いインフレ、悪いインフレ。