私は、建物チェックの場で、
できるだけ専門用語をそのまま使わないようにしています。
例えば、こんな会話があります。
「大工さん、今何をしていますか?」
→ いま、壁の下地を作っています。ここが仕上がりの精度に影響します。
「釘打ってるんですか?」
→はい、そうです。この部分は150mm以下のピッチで打ちます。仕上がると見えなくなりますからね。強力な磁石で調査する方もいらっしゃるようですが、私はそこまでは行っていません。
「金物ってどれですか?」
→ 地震のときに、柱や梁が外れないよう固定する部材です。
「筋かいって何ですか?」
→ 建物が横に揺れるのを抑える、斜めの補強材です。
「地震でも大丈夫ですか?」
→ 見える範囲では大きな問題はありません。ただし、構造全体の評価は専門の検査が必要です。
「ざっくばらんに、この物件“買い”ですか?」
→ 状態と価格のバランス次第です。気になる点はありますが、判断材料としては成立しています。
専門的な内容を、
そのまま伝えるのではなく、
理解できる言葉に翻訳すること。
それが、不動産の現場における
私の役割だと考えています。
現地でいろいろ確認して、
最後に、よくこう聞かれます。
「ざっくばらんに、この物件“買い”ですか?」
「いくら値引きできますか」
と並ぶくらい、よく聞かれる質問です。
正直に言うと、
この質問に一言で答えることは簡単ではありません。
なぜなら、
物件の状態、価格、立地、将来性、
すべてを踏まえて判断するものだからです。
それでも私は、
できるだけ正直にお伝えします。
「判断材料としては成立しています」
「気になる点はここです」
最終的に決めるのはお客様です。
でもその判断が、
納得して決めたものになるように。
それが私の役割だと思っています。
In the end, people ask for a simple answer.
My job is to support a well-informed decision.