新築戸建てに限って言えば、本当に条件の良い物件は、SUUMOなどのポータルサイトに掲載されないケースが少なくありません。
一般消費者の多くは、
「良い物件はネットに出た瞬間に売れてしまう」
「未公開物件こそ価値がある」
というイメージを持っています。
実際、その感覚はある意味で正しいと言えます。
その背景には、日本独特の不動産流通システムと、「広告厳禁物件」という存在があります。
一般に、物件を預かった元付業者(物元)には、REINS(レインズ)への登録義務があります。
しかし一方で、
SUUMO
HOME'S
at home
などのポータルサイトへ掲載する義務はありません。
つまり、
「レインズには存在している」
「不動産会社間では流通している」
「しかし一般消費者には見えていない」
という物件が大量に存在しています。
特に東京23区の新築戸建て市場では、この傾向が非常に強く感じられます。
消費者側からすると、
「優良物件はポータルサイトに出てこない」
という認識が強くあります。
そのため、不動産会社から
「未公開物件があります」
と言われると、特別感や希少性を感じやすくなります。
実際には、“完全非公開”というより、
「広告掲載不可」
であるケースが大半です。
つまり、不動産会社同士では情報共有されていても、ネット広告だけが制限されている状態です。
東京23区の新築戸建て市場では、体感として
広告不可:9割
広告可:1割
くらいの感覚があります。
この数字は、現在の不動産仲介業界の構造変化を象徴しています。
従来の「仲介手数料無料業者」は、
SUUMOへ大量掲載
SEO集客
ポータル反響
によって成立していました。
しかし、肝心の優良物件が広告掲載できないとなると、そのモデル自体が難しくなってきています。
つまり今後は、
「誰が広告を出しているか」
ではなく、
どれだけ早く情報を取得できるか
どれだけ正確に物件を読み解けるか
どれだけ誠実に情報共有するか
が重要になっていきます。
この構造によって、一般消費者は本当に良い物件情報へアクセスしづらくなっています。
結果として、
情報が一部の仲介会社へ偏る
消費者側の比較検討機会が減る
「どこに相談するか」が重要になる
という情報の非対称性が生まれています。
インターネット時代になっても、不動産業界では完全な情報の民主化はまだ実現していません。
一方で、売主側にも事情があります。
例えば、
自宅写真をネット公開されたくない
近隣に知られたくない
無駄な内見を避けたい
個人情報や生活感を出したくない
と考える方は非常に多くいます。
つまり、「広告厳禁」は単なる囲い込みだけではなく、プライバシー保護という側面もあります。
透明性とプライバシー。
不動産業界は、その両立が求められる時代に入っています。
これからは、
「未公開かどうか」
よりも、
「どれだけ早く情報を取得できるか」
の方が重要になるかもしれません。
最近では、AIや自動通知システムを使い、
新着物件
価格変更
再掲載
条件一致物件
をリアルタイムで追うことも可能になっています。
これにより、
「秘密の物件を持っている会社」
より、
「情報処理速度が速い会社」
の価値が高まり始めています。
広告可否に関係なく、
良い点だけでなく悪い点も伝える
情報を隠さない
建物をきちんと読み解ける
そんな担当者を選ぶことが、最終的には最も重要だと思います。
特に新築戸建ては、
「新築だから安心」
とは限りません。
だからこそ、
単なる情報量ではなく、
“物件をどう見るか” が重要になっていく時代なのかもしれません。